社交不安症(社交不安障害)

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<主な症状>

　人前で話すときに緊張する
　人前で字を書くときに手が震える
　人と一緒に食事をするのが苦手
　人の視線が気になる

　日常生活において、ある程度の緊張や不安は自然なことです。職場や学校などで、人から注目を浴びることや人前で発言することへの不安から、日常生活に何らかの支障をきたしている場合、社交不安症(社交不安障害)と診断されます。発症時期は10代と若く、生涯有病率は約10人に1人と頻度の高い疾患です。若い時期は苦手な場面を避けながらなんとか乗り切ったとしても、就職し取引先や上司など人との関わりが避けられない状況が増えてきた頃に限界を感じて、病院を受診する人も少なくありません。

原因

生物学的要因
　多くの研究から、脳内の神経伝達物質の不足が関与していることが分かっています。これは、SSRI（セロトニン再取込み阻害薬）による治療が有効であることの根拠にもなっています。
環境的要因
　人前で恥をかいたという経験から、またそのような状況に陥るのではないかという不安になり、それを避けるようになることがあります。人の評価を気にする、人見知りをする、完璧主義の傾向のある人も、人前で恥をかきたくないという意識が強く、対人緊張感が強くなることがあります。

治療

薬物療法
　SSRI（セロトニン再取込み阻害薬）などの抗うつ薬や抗不安薬（ベンゾジアゼピン系薬剤）などを使用します。SSRIは効果が出てくるまでに数週間かかるので、一定期間規則的に服用する必要があります。抗不安薬は即効性があるため、苦手な場面の前に服用するなど頓服薬として使用することもできます。
精神療法
　診察の中で、苦手な場面などで、感じたこと、考えたこと、振る舞いなどについても振り返りを行っていきます。苦手な場面でも本来お持ちのお力が発揮できるように、回復の道筋についてご相談できればと思います。